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サンパウロ州で4種類のデング熱=5市に60%の患者集中

 サンパウロ総合大学生物医学研究所(ICB)の調査によると、サンパウロ州のデング熱は4種類のウイルスによって引き起こされており、重篤化する可能性ありと7日付フォーリャ紙が報じた。
 海岸部のグアルジャーとカンピーナス地方ジュンジアイーで昨年採取したデング熱と思しき患者1300人の血液を検査した結果、800のサンプルから4種類のウイルスが検出されたという。4種類のウイルスが同時に検出された例は2011年にマナウスで確認されているが、サンパウロ州のように人口密度が高い地域で複数のウイルスが混在すると、患者の発生急増の可能性が強まる。
 デング熱の場合、感染したウイルス毎の免疫が出来るため、別の型のウイルスに感染すると、出血性デング熱など、重症化する危険性が12倍高くなる。複数のウイルス混在で重篤化する危険度が高いのは、既往歴のある大人より免疫のない子供だ。国内での4型ウイルス感染例は2010年にアマゾナス州とロライマ州で確認されたのが初めてで、サンパウロ州での患者確認は今回調査が初。
 ただ、サンパウロ州保健局では13年は3型ウイルスによる感染は確認されていない。同局の集計によれば、13年に感染が確認された患者の55・5%と今年5月までの罹患者の92%は1型ウイルスに感染しており、残りは2型と4型だという。
 今年のサンパウロ州の罹患者は5月末現在で9万4246人。3月末の1万8445人と比べると約5倍に増えている。今年のサンパウロ州は雨の時期が遅れたため、例年は患者発生が途絶える時期にも患者が増えているが、昨年同時期の19万3771人は大幅に下回っている。
 患者発生が多い市はカンピーナス3万1637人、サンパウロ市8542人、アメリカーナ8477人、タウバテ4554人、ジャウー3148人で、これら5市で患者数の60%を占める。なお、5月末時点で感染の疑いがある患者は4万9千人。