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サンパウロ州高裁=同性愛婚者の権利拡大=離婚時の生活費請求を承認

 サンパウロ州高等裁判所第4法廷が3日、同性愛者が離婚した際、相手に生活費を求める権利を全会一致で承認したと4日付伯字各紙が報じた。
 ルイス・フェリペ・サロモン判事は、「同性愛婚も法の認める権利から外れるものではなく、同件を同性愛者への偏見に基づいて判断してはいけない」との判決文を読みあげた。
 原告は男性で、15年連れ添った相手と離婚したが、無職の上、HIVウイルスに犯され、慢性肝炎も患っており、1人で生活を営むことが困難だと訴えていた。
 この件は元々、匿名の同性愛者がサンパウロ州地裁に元配偶者に生活費を求める訴え出たもので、同州地裁は、前例が無く、「法的判断を下すのが困難」だとして、裁判の継続を棄却したため、高等裁に上告されていた。
 サロモン高等裁判事は、同性愛婚者も異性愛婚者と同じ権利が認められるべきとした。また、2011年5月に連邦最高裁が、同性愛婚者の遺産相続、財産分与、養子を採る権利を認めていると述べた。今回は初めて同性愛者が、離婚時に元配偶者に生活費を求める権利を認めた。
 サンパウロ州高裁は今後、この2人の間で授受されるべき生活費の金額の算定に入るが、今回の判決は同様の裁判が起きたときの判例の一つとなる。
 判決はサンパウロ州の性的マイノリティ団体(LGBT)に好意的に受け入れられ、フェルナンド・クアレズマサンパウロ州〃誇り高きLGBTの行進〃協会会長は、「同性愛者にも異性愛者と同じ権利が認められた。我々の目指す平等な社会への一歩だ」と述べた。