連邦検察庁が9日、スイス当局から送られてきた、ドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)がラヴァ・ジャット作戦に関与していたことを暗示する秘密口座の情報を公表した。それを受け、同議長をジウマ大統領罷免のためのキー・パーソンと目していた野党側リーダーたちも、同議長の離職を要求しはじめている。10~13日付伯字紙が報じている。
秘密口座発覚のきっかけのひとつは、クーニャ氏の収賄を指摘したPMDBのロビイスト、ジョアン・エンリケス被告の報奨付証言で、ペトロブラスがアフリカのベナンで油田契約をした際の賄賂として、クーニャ氏の秘密口座のひとつに総額130万スイス・フラン(510万レアル相当)が振り込まれた。振込みは、11年5月30日から同年6月23日に5度に渡って行われた。
ペトロブラスは同油田を3450万米ドルで買い取り、3100万米ドルを受け取ったルジタニア・ペトロレウン社の社長でポルトガル人のイダレーシオ・デ・オリヴェイラ氏は、1千万米ドルをエンリケス被告に流していた。
さらに、スイスのジュリウス・バエル銀行に開設された四つの口座の残高は最高時2320万レアルに達しており、支払い者名にはメリル・リンチなどの企業名があった。4口座中、2007年5月と2008年6月に開設した口座残高(総額960万レアル相当)はスイス当局によって差し止められている。残る二つの口座は昨年4月に解約されている。
また、クーニャ氏夫人のクラウジア・クルス氏名義の口座からは、7年間で109万米ドル(410万レアル相当)が支払われていた。その内訳は米国フロリダでの高級テニス・スクール受講料や英国やスペインの大学の受講料など、明らかに私的に利用されていた。
この結果を受け、これまではクーニャ議長をジウマ大統領罷免の旗振り役と目してきた野党側も10日、同議長が正式に釈明の機会を得るまで、議長職を離れるよう文書で求めた。この文書には、大統領罷免に最も強く動いている民主社会党(PSDB)はじめ、民主党(DEM)、ブラジル社会党(PSB)、社会大衆党(PPS)、連帯(SD)などが名を連ねている。
クーニャ氏は同日、書面で改めて議長辞任を否定し、ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官は、捜査情報を政治的な意図でもらしており、「連邦政府側の告発者のようだ」と非難した。
クーニャ議長の牽引力が落ちる中、同議長が法学者のエーリオ・ビクード氏とミゲル・レアレ・ジュニオル元法相によるジウマ大統領罷免の嘆願書の扱いを明らかにすると約束していた13日、野党側は、罷免嘆願の理由に連邦会計検査院(TCU)が7日に違反と判断した連邦政府による粉飾会計が15年も繰り返されていることを付け加える書類を提出した。
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