4カ月に及ぶ議論噴出の末、フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(PT・労働者党)は15日、毎週日曜日の午前9時から午後5時まで、サンパウロ市の目抜き通り、パウリスタ大通り(以下「パ大通り」)を歩行者天国化すると発表したと16日付伯字紙が報じた。
パ大通りは18日の日曜から、コンソラソン街との交差点からオズワルド・クルス広場までの全長およそ2・6キロの区間で自動車、バイクの走行が禁じられ、車道を歩いたり、自転車で走行したりする事ができる。
ただし、地域住民、身体障がい者、パ大通りにあるクラブの会員、地域病院の職員と患者に対しては、右端の車線を交通公社職員のエスコート付き、最大時速10キロまでとの制限付きで車での通行が認められる。
サンパウロ州検察局は歩行者天国案に反対で、サンパウロ市に決定の見直しを求める意向だ。07年に定めた対応改善誓約書(TAC)には「パ大通りでのイベント開催に伴う封鎖は年に3回だけ」との規約があるため、検察側は、6月7日のゲイ・パレード、6月28日の中央分離帯の自転車レーン開通式、8月23日の、パ大通りに隣接するベルナルジーニョ・ド・カンポス大通りの自転車レーン完工式で今年の3回分は消化済みだと主張している。
だが、サンパウロ市担当者の意見はそれと真っ向から対立し、ロビンソン・バレイリーニャスサンパウロ市検察局長は、日曜のパ大通り封鎖はイベントとして計算されるべきものではないとの見解を表明した。
ハダジサンパウロ市長も「TACの規定は〃イベント〃でパ大通りを封鎖するのは年に3度までとしているが、毎週日曜の歩行者天国化は、12年のモビリティのための国家計画に基づく公共政策だ」と釈明。大晦日のマラソンと年越しイベントの開催にも自信を見せた。
ブラジル弁護士会(OAB)交通法委員会会長のマウリシオ・ジャヌッジ氏は、「パ大通り周辺には病院が沢山あり、大通り全体の車両通行止めは困難だろう。また、パ大通りには商業施設や公園、自転車レーンなど、娯楽施設はもう充分すぎるほどある。歩行者天国化に反対だ」とした。