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一人一人とお話される秋篠宮さま

一人ひとりにお声がけ=老人ホーム 憩いの園を御訪問=入居者らが感激にむせぶ

 秋篠宮両殿下は29日午前、グアルーリョス市にある老人ホーム「救済会・憩の園」を訪問された。歴史資料室をご見学、ご記帳後、大ホールで入園者代表による花束贈呈が行なわれた。両殿下が自ら手を取られ声をおかけになると、感激のあまり涙ぐむ入園者が続出した。

 入り口では、約100人の同園関係者らが日伯両国の国旗小旗を振り、歓声を上げて迎えた。
 正面玄関手前ある救済会創立者の一人、渡辺マルガリーダの石碑前で降車された。吉安園子救済会会長が役員らを紹介。
 老人棟に両殿下のお姿が現れると、朝7時からスーツやドレスを着て待機していた入園者66人、および職員らから歓声が上がった。

森井さんから紀子さまへ花束贈呈

森井さんから紀子さまへ花束贈呈

 入園者代表として、森井園子さん(89、東京)が花束を差し出すと、紀子さまは同じ目線まで姿勢を低くしてお受け取りになった。感激で涙を流す森井さんが紀子さまと握手し、大きな拍手が起こった。続いて秋篠宮さまも進み出られて握手され、森井さんは大きな笑顔を見せた。
 両殿下は二手に分かれて入園者一人ずつに声をかけられた。最前列の久森繁雄さん(76、二世)は「ぼくも日本人として殿下に会えたことがとても嬉しい」と話し、斎藤しづ子さん(89、静岡)は「何歳のときにブラジルに来ましたか?と尋ねてくださいました」と涙とともに語った。

 

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 皇族が憩いの園を訪問されるのは今回で4度目。78、97年に天皇皇后両陛下が、95年には紀宮さまが御来園。資料室には両陛下のお写真、そして紀宮さまと創立者の渡辺ドナ・マルガリーダが並んだお写真が飾られている。日本には老人ホームが数多く存在するため、皇族御訪問を経験できる入居者はほんの一握り。幸せといえばそうかも。
     ◎
 秋篠宮両殿下のサンパウロ市御滞在は29日まで。わずか2日間ながら、あちこちで式典に参加と、大変にお忙しい日程だった。本紙は全ての会場で取材を行ったが、撮影時間も場所も限られ、会場内にいること自体許されない等、普段のコロニアの取材と比べればやりにくさを感じざるを得なかった。しかし、ただでさえ少ない記者をフル動員しただけはあり、サイトでは日本からのアクセスが順調に伸びている。日本の報道には無い詳細なレポートが反響を呼んでいるようだ。