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小頭症について語るマイエロヴィッチ伝染病予防課長(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)
小頭症について語るマイエロヴィッチ伝染病予防課長(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

小頭症問題=ジカウイルスが原因か?=サンパウロ州でも起こる可能性も

 【既報関連】北東伯を中心とする小頭症の新生児急増に関し、ジカウイルス感染症が関連しているのではないかとの見方が強まったと18日付伯字紙が報じている。
 妊娠中の脳の発達が悪く、脳の体積が極端に小さいため、頭蓋腔の容積が拡大せず、その後の発育にも多大な影響が及ぶ可能性がある小頭症の新生児の急増に関しては13日付本紙でも報じた。17日に保健省が発表したデータによると、ペルナンブッコ州の小頭症児は、12日の伯字紙報道の141件が268件に急増している。
 その他、セルジッペ州44人、北大河州39人、パライバ州21人、ピアウイ州10人、セアラー州9人、バイア州8人で、現時点で計399人の症例が確認されている。従来の小頭症の発症は年100~120人であったことから、この発症率は異常といえる。
 この原因として、ネッタイシマカが媒介するジカウイルス感染症を疑う声は既にあったが、パライバ州では、小頭症と診断された胎児2人がジカウイルスに感染していることが確認された。これらの胎児の母親たちは妊娠初期に発熱と発疹、かゆみなどを経験したが、それ以外には小頭症を引き起こすような病歴はみつからなかった。小頭症児の母親の中に同様の経歴を持つ人がいることはそれ以前にも確認されていた。
 保健省はこれについて「ただの偶然とは言えない」との見解を示した。ジカウイルス感染症の患者は他の7州(サンパウロ州、リオ、パラナ、パラー、マット・グロッソ、マラニョン、ロライマ)でも確認されており、これらの州でも小頭症児増加の可能性がある。
 保健省伝染病予防課のクラウジオ・マイエロヴィッチ課長は、「妊娠を考えている女性は、予定を先延ばしすることも含めて、家族や医師とよく話し合った方が良い」と警告している。