ペルナンブコ州のオズワルド・クルス研究院支部が、ジカウイルスがギラン・バレー症候群の患者急増に関係している可能性を指摘したと26日付伯字紙が報じた。
ギラン・バレー症候群は運動神経や知覚神経を侵す急性・多発性の根神経炎の一つで、通常の発生率は10万人に1人。呼吸器系の筋肉が侵されると死亡する事もある。
ところが、レシフェ市のレスタウラソン病院では今年、同症候群の患者が急増。昨年14人だった患者が6月までに40人に達したため、発症前に発疹や関節の痛みなどがあった患者8人の血液と骨髄液の分析を依頼したところ、エスタード紙報道で7人、フォーリャ紙報道で6人からジカウイルスが検出された。
ギラン・バレー症候群とジカウイルスとの関係はポリネシアでも疑われていたが、同件が25日にブラジリアで開かれた州保健局担当者会議で報告されると、関係者らに大きな衝撃が走った。
エスタード紙による北東伯のギラン・バレー症候群の州別患者数は、ペルナンブコ130人、バイア55人、マラニョン14人、パライバ6人。フォーリャ紙はペルナンブコ127人、バイア139人(確認済み64人と検査中75人)、他2州でも発生と報じた。
ジカウイルスの症状は発疹や痒み、目の充血、微熱、関節痛、筋肉痛、目の奥の痛み、手足のむくみ、下痢など。自覚の有無や症状、程度に差があり、感染に気づかない例も多く、余病なども注目されて来なかった。
ブラジルではジカウイルスの患者発生後、小頭症児の誕生が急増、関係を確認中だが、同症候群も関連が疑われ出した事で、ネッタイシマカ対策に軍出動の声も出始めた。
26日には、サンパウロ市でも北東伯でジカウイルスに感染した妊婦の胎児2人が小頭症である事が判明し、もう1例も調査中と報道された。サンパウロ市での小頭症児誕生は年10~15人で、今年は12人が確認済み。小頭症は麻薬常用などでも起こる。