【既報関連】27日に行われた連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ)第22弾で、ルーラ前大統領ならびに労働者党(PT)元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告、ペトロブラス(PB)の事業でカルテルを組むなどしてLJで疑惑を追及されている建設大手のOAS社との密接な間柄が浮き彫りになった。28日付伯字紙が報じている。
LJ22弾では、10年に倒産したバンコープ社と09年に同社の事業を引き継いだOAS、PBサービス部のレナト・ドゥケ被告らのために非課税または低税率の国や地域での会社や口座開設を手伝ったモサック・フォンセカ社との関係などを追求しており、サンパウロ州グアルジャーにあるコンドミニアム「ソラリス」はPB関連の贈収賄を隠蔽する道具として使われたと見られている。
「ソラリス」は、バンコープが顧客から金を集めて建てていたもので、同社が窮状に陥った際に建設工事を引き継いだのがOASだ。金を払った顧客には家屋購入権があるが、買い取られていないアパート6軒と3層高級住宅3軒は、今もOASの名義になっている。
今回の作戦では、「ソラリス」の3層住宅のひとつ「163―B」の所有者でバンコープの出版事業を請け負ったこともあるネウシ・バルケン氏と、モサック・フォンセカの共同経営者、従業員の計3人が逮捕された。
また、「ソラリス」内にはバンコープ元社長でもあるヴァカリ被告の妻と義姉妹所有のアパートもあるはずだが、妻のアパートはOAS職員の名義になっている。
メディアが注目しているのは、ネウシ容疑者の住宅の隣の棟にある3層住宅「164―A」にはルーラ氏夫人のマリーザ氏が頻繁に出入りし、実質的に所有していた疑惑をもたれていることだ。
この住宅はルーラ氏の06年の大統領選の選挙会計で4万7千レアルと申告された資産だが、実際の価値は150万レアルとされている。
この住宅はLJで16年の実刑判決を受けたレオ・ピニェイロ氏が所有するOAS社名義で、13年頃から約77万レアルをかけて改築された。改築費用はOAS社が負担しており、マリーザ氏は建設中や改築中も頻繁に姿を見せ、プールなども使用していたが、ヴァカリ被告らが逮捕された直後の15年11月に購入を諦めると宣言した。
エスタード紙によると、改築を担当したタレント・コンストゥルトーラ社のアルマンド・ダグレ技師はサンパウロ州検察局に、改築のための会議にはピニェイロ被告やOASの技師と共にマリーザ夫人とルーラ氏の息子が出席したと供述した。同件でルーラ氏と接触を持ったことはないという。
エクアドルでの中南米およびカリブ諸国首脳会議に参加中だったジウマ大統領は、取材陣の質問に不快な表情で「ルーラ氏の不正を示す事実が全くないではないか」と答えた。ジャッケス・ヴァギネル官房長官らも同日、ルーラ氏とLJの関係を否定している。
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