1月30日付エスタード紙などによると、1月26日の第22次ラヴァ・ジャット(LJ)作戦「XXX」で捜査された疑惑の物件・三層高級住宅(トリプレックス)164―A号の所有企業OAS社との関係について、ルーラ前大統領(労働者党・PT)とマリーザ夫人に対し、サンパウロ州検察局は2月17日の午前11時に出頭して説明するよう求めた。
サンパウロ州グアルジャー市のこの高級アパート「ソラリス」は、LJで疑惑の企業OAS社の所有であるだけでなく、それ以前の所有者が倒産したバンコープ社で、その元社長でPTの元中央会計としてLJで逮捕されたジョアン・ヴァカリ・ネット被告だ。それに深く関係あるのがモサック・フォンセカ社で、オフシェアという形で、ペトロブラスのサービス部の被告に贈賄工作を行なっていた疑惑をもたれている。
建築技師アルマンド・ダグレ氏はサンパウロ州検察局に、マリーザ氏がOAS社長のレオ・ピニェイロ氏と頻繁に164―A号に訪れており、OASは同住宅の改築工事に77万7千レアルを使っていたと証言をした。
これに対し、ルーラ研究所は1月30日に声明を出し、14年にルーラ氏がマリーザ夫人とピニェイロ氏を伴って、1度だけ164―Aを訪れた、と発表した。
同時にこの声明は、トリプレックスの所有を否定する。マリーザ夫人は2005年にバンコープから、同三層住宅の141号室を約4万7千レアルで購入していたが、09年9月に所有権がOASに移行するに伴い、「バンコープ側からのボレット(銀行証書)を受け取っていない」と契約を解除していたという。それまでルーラ家は141号室に約18万レアルを払っていたという。
その後、OAS社は、164―Aの改装を行ない、14年に「改装が終了した」としてルーラ氏と夫人にトリプレックスまるごとの購入を勧めたので物件を見に行ったが、以前と内装が変わっていたことが気に入らず、購入に至らなかったという。
さらに、マリーザ氏が15年11月に解約したのは、バンコープから再度の解約確認のサインをしたに過ぎないとしている。だが、サンパウロ州検察側は「以前は部屋の一部を購入していただけのものが、なぜOASとはトリプレックスの購入の話になっているのか」と矛盾点を指摘している。