【既報関連】ルーラ前大統領が4日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で連邦警察から事情聴取を受け、全国に激震が走った。ルーラ氏は4日午後の会見で怒りを露にしたが、疑惑は更に深まり、苦しい立場が続いている。5~7日付伯字紙が報じている。
ルーラ氏は4日朝、コンゴーニャス空港で約3時間取調べを受けた。その後はサンベルナルド・ド・カンポ市の自宅に戻る前にサンパウロ市内の労働者党(PT)本部に立ち寄り、党幹部らと会談後に怒りの会見を開いた。
ルーラ氏は「まるで囚人になった気分だ」と憤慨し、LJを管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が連邦警察の捜査要請を了承したことを批判。「請われればクリチバにでもブラジリアにでも行く。ここまで(強制連行し事情聴取)する必要はなかった」と語った。また、夜の銀行員の労組集会では「PTを守るために戦い抜く」と涙ながらに誓った。
6日にはジウマ大統領が同氏宅にかけつけ、マリーザ夫人を含め3人でにこやかに写真に写り、連帯感を示した。
だが、ルーラ氏の疑惑払拭は困難だ。同氏からの事情聴取やルーラ研究所などの家宅捜査のきっかけは、同研究所のパウロ・オカモト所長の仲介でOAS社が輸送会社と交わしたルーラ氏の引越し荷物の運搬・保管契約の内容に不審な点があるのと、ルーラ氏が講演会の謝礼の形で賄賂を受け取っていたとの疑惑が浮上してきたからだ。
5日付本紙でも報じたように、11年~16年に払われた荷物の運搬・保管費は約130万レアルに上る。5日付フォーリャ紙によれば、運輸会社との契約はOASの荷物扱いとなっており、1月18、19日にオカモト氏が指定した場所に移された。また、サンベルナルド・ド・カンポの金属労組の倉庫でもルーラ氏に関する大量の資料が発見された。
また、ルーラ研究所への入金やルーラ氏の講演の謝礼の大半はLJの疑惑企業から支払われており、同氏が推定450万レアルの恩恵を受けたことが疑われている他、同研究所とルーラ氏の講演企業のLILSパレストラ社が11年~14年、ルーラ氏の息子らが経営する複数の企業に約170万レアルを横流しした疑惑も出てきている。
さらに7日付エスタード紙によると、ルーラ氏の自宅の隣のアパートは、LJで逮捕中の牧畜企業家で同氏の親友のジョゼ・カルロス・ブンライ被告の親戚が11年に買い取り、ルーラ氏に貸している。このアパートやグアルジャーの三層高級住宅、アチバイアの大別荘の購入には常に、ルーラ氏の親友で弁護士のロベルト・テイシェイラ氏が絡んでおり、同弁護士が不動産の名義隠匿を図っていたのではとの疑惑も浮上している。
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