2日に行われたスペインのサッカー・リーグ、リーガ・エスパニョーラの伝統の一戦、バルセロナFC対レアル・マドリッド戦で、あるブラジル人選手の活躍が絶賛され、一躍、世界的な脚光を浴びた。
その選手とは、レアルのボランチ、カゼミーロだ。この日のカゼミーロは、メッシをはじめとするバルサの強力攻撃陣の動きを中盤でことごとく止める活躍を見せた。カゼミーロは、相手の攻撃のスペースを狭め、パスコースを的確に読み、バルサから次々とボールを奪っては、レアルのチャンスを広げる役割を果たした。
この中盤でのカゼミーロの活躍がこの日、敵地カンプ・ノウの試合で1点を先制され、センターバックのセルヒオ・ラモスを退場で欠き、10人で守る不利に立ちながらも、レアルが2―1で逆転勝利する原動力につながった。
この勝利で、レアルのジダン監督は終始、堅実な守備に徹したカゼミーロを褒め称え、「彼のプレーというのは基本的なものだが、その全てが良かった。良かった場面をひとつだけ語るなんてことが出来ない位にね」と評価した。
この日の彼の活躍はスペインのスポーツ新聞の一面を賑わした。マルカ紙では「エル・ダンケ(重戦車)」と称され、アス紙でも「カゼミーロが試合を牛耳った」と讃えられた。
まだ23歳と若いカゼミーロは、2013年にサンパウロFCからレアルのBチームに入り、下積み期間を過ごした。15年9月からのシーズンはレギュラー・クラスで試合に出場しているが、今シーズンのリーガでのレアルは、カゼミーロが出場した18試合は15勝2敗1分と圧倒的な勝率(85%)を残している。(カゼミーロが出ていない時は74%)
この試合後、ブラジルでは、カゼミーロがここまで活躍しているにも関わらず、セレソンの召集がほとんどかからないことを問題視する声がネット上に多く挙げられると共に、「フェルナンジーニョやルイス・グスターヴォなんて、一体いつまでドゥンガは使い続けるつもりなんだ」といった批判の声も少なからず出ていた。
奇しくも、3月29日のW杯南米予選での対パラグアイ戦では、セレソンが引き分けに終わった理由として、フェルナンジーニョとグスターヴォが中盤でボールを奪われすぎて、両者とも途中でベンチに下げられたことがあげられていた。(3日付グローボエスポルテなどより)
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