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11日のテメル大統領代行(Beto Barata/PR)
11日のテメル大統領代行(Beto Barata/PR)

テメル=ジウマ罷免賛成勢力を強化=弾劾裁判決定のその裏で=暫定政権の役職と引き換えに=レナン議長も積極的に協力

 9~10日にかけて上院で行われた、ジウマ大統領罷免の弾劾裁判を行うかの投票の裏で、ミシェル・テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)が、弾劾裁判への賛成票を増やすために時間をかけた根回しを行っていたと11日付エスタード紙が報じている。

 5月12日に行われ、ジウマ大統領を停職に追い込んだ「上院でジウマ大統領罷免審議を受け付けるか否か」の上院全体投票は、賛成55人、反対22人だった。
 この時点ではジウマ氏罷免に必要な54票を1票上回っていただけだったが、罷免を磐石にするため、9日の賛成票を60票にしたいとテメル氏側は考えていた。
 テメル氏はまず、5月の投票に欠席したジャーデル・バルバーリョ、エドゥアルド・ブラガ両上議(ともにPMDB)に大臣職をもたらす形で対策を打った。
 ジャーデル氏の息子のエルデール氏は崩壊直前のジウマ政権では港湾相だったが、テメル政権でも国家統合相に任命された。また、ジウマ政権で鉱山動力相だったブラガ氏には、電力部門での戦略局の職を与えた。これにより、賛成票2票を獲得していた。
 9~10日の投票ではこの2票のほかに、デウシジオ・アマラル上議の罷免により補欠から昇格したペドロ・シャヴェス上議(キリスト教社会党・PSC)と、5月の反対から心変わりしたジョアン・アルベルト・ソウザ上議(PMDB)の票を加え、59票まで達した。
 テメル氏側は、レナン・カリェイロス上院議長(PMDB)から、エルマーノ・フェレール(ブラジル労働党・PTB)とオットー・アレンカール(社会民主党・PSD)の翻意も可能だという情報を得ていたというが、彼らの翻意はかなわなかった。
 また、5月には「罷免審議継続に賛成」票を投じたクリストヴァン・ブアルキ(社会大衆党・PPS)、ロマーリオ(ブラジル社会党・PSB)の両上議は、罷免に賛成するかどうか微妙と見られていたが、ロマーリオ氏に関しては、元下議のロッシーニャ・デ・・アデファル氏をテメル暫定政権下の障がい者人権局長に任命させたことが、罷免賛成を決定づけたと見られている。
 唯一票を投じていないのはレナン議長だが、同議長は、9月4、5の両日に中国の浙江省杭州で開催されるG20サミットの前に罷免問題を解決したいとするテメル氏に協力的で、当初8月29日からだった弾劾裁判を25日に早め、31日までに終わるよう、段取りをつけている。