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今日から大統領弾劾裁判=直前のジウマとテメルは?

 今日25日より、ジウマ大統領罷免を問う弾劾裁判が上院ではじまる。それをめぐる、直前のジウマ大統領とミシェル・テメル大統領代行の状況を24日付伯字紙が報じている。
 上院での弾劾裁判では81人中28票以上を取り、ジウマ氏の罷免を止めたい労働者党(PT)だが、その勢いがあるとは言いがたい。
 23日、PTの党幹部会議で、ジウマ氏が提唱する「大統領再選挙を呼び込むための国民投票実施」の是非を聞いた結果、14対2の圧倒的大差で「反対」が上回る形となった。
 これにより、PT側から国民投票の呼びかけを推進することはなくなったが、ジウマ氏の罷免には強く反対する意向だ。そこでは、テメル大統領代行を、ブラジルの民主社会への脅威として扱い、さらに、先日21日まで行われていたリオ五輪の成功をルーラ元大統領とジウマ氏のおかげだと展開する意向だ。
 その一方、テメル大統領代行は、30日に予定されている弾劾投票でジウマ氏の罷免を決定的にするべく動いている。
 この投票で54人が賛同すればジウマ氏の罷免が決まる。今月上旬の弾劾裁判実施を決める投票では59票を獲得し、有利な状況にはある。とはいえテメル氏としては、29日に行われるジウマ氏による30分の自己弁護で上議が心情的に揺れないかを心配している。
 そこでテメル氏は、23、24日に北伯、北東伯の上議を副大統領官邸に招き、話し合いを行った。これらの地域はもともと、PT勢力が強い地盤だからだ。
 これまでに、テメル氏と同じ民主運動党(PMDB)のエジソン・ロボン、ジョアン・アルベルト・ソウザ両上議や、ロベルト・ロシャ上議(ブラジル社会党・PSB)、シロ・ノゲイラ上議(進歩党・PP)、アタイーデス・オリヴェイラ上議(民主社会党・PSDB)が呼び出しを受けている。テメル氏は62票獲得でのジウマ氏罷免を狙っている。