ジウマ大統領の弾劾裁判が佳境に入り、ジウマ氏が自己弁護に立った29日、連邦直轄区と北東伯4州でジウマ氏罷免に対する抗議行動が起きたが、その規模は予想を大きく下回った。
同日付G1サイトによると、最大規模の抗議行動は連邦議会前で展開されたが、ジウマ氏が上院に到着した9時現在で、弾劾裁判反対を唱えて集まった人の数は軍警発表で約350人。抗議行動参加を呼びかけたグループは、約2千人が集まったとしている。
連邦議会前には、弾劾裁判開始に合わせ、罷免賛成派と反対派を隔てる塀が建てられた。この塀は、下院本会議が罷免審議継続か否かを決めた時にも建てられた。
連邦議会前での抗議行動参加者は少しでも身近な所でジウマ氏応援をと考えて全国から集まった人々で、バラの花と共に「民主主義擁護のために闘う女性達」「正義のための戦い」といった横断幕を掲げたが、ジウマ氏は抗議行動参加者には声もかけず、直接議会に入った。議会前の広場には大型画面が設けられておらず、抗議行動参加者は携帯電話やラジオでジウマ氏の弁明や質疑応答の様子に耳を傾けた。
29~31日は混乱回避のため、連邦議会周辺の交通が規制される。議会周辺の警備にあたる警官は29日が380人、30、31日は1332人が予定されており、裁判終了後も290人が警備を続ける。警備には消防士と交通関係の係官も100人ずつ参加する。
北東伯での抗議行動の最たるものは、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏のモレノで起きた、土地なし農民運動(MST)のメンバー約50人による国道232号線の封鎖だ。同州MST指導者のジャイメ・アモリン氏は「29日の国道封鎖は弾劾裁判に対する抗議行動の一部。抗議行動は今後も続き、9月5日にはゼネストも行う」と言う。
セアラー州フォルタレーザ市のフェレイラ広場では、午前8~11時に抗議行動が起き、ブラジル大衆前線関係者ら約40人が参加した。
パライバ州カンピーナ・グランデのバンデイラ広場での抗議行動は午前8時開始の予定だったが、実際に人が集まり始めたのは9時30分頃。ブラジル大衆前線や労働者党(PT)、労組関係者が集まったが、人数は明らかにされていない。
バイア州サルバドール市ではショッピングセンターで9時半頃、ミシェル・テメル大統領代行への抗議と民主主義擁護を訴える集会が開かれ、主催者側発表で200人、軍警発表で50人が参加した。集会の終了時間は明らかにされていない。
国内メディアがジウマ氏の大統領職復帰の可能性は1%と報じる中、ドル安と株式指数上昇という、これまでも見られた傾向が繰り返された。
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