弾劾裁判4日目の29日、ジウマ大統領は自身の弁明を行ったあと、上議たちからの質問を受け続けた。5日目の30日は起訴、擁護、双方の主張と質疑応答後、各上議が自らの見解を話した。投票は30日の予定だったが、31日にずれ込む見込みだ。30日伯字紙やサイトが報じている。
ジウマ大統領の弁明の内容の一部は昨日付本紙でも報じたが、大統領はその後、13時間にわたり、上議からの質問を受け続けた。
質問を希望した上議は大半が罷免賛成派だったが、ジウマ氏が従来の「ゴウピ(クーデター)にあった」という持論を曲げなかったため、反応は決して良いとは言えず、上議の反発を買う光景も見られた。
民主社会党(PSDB)のアロイージオ・ヌーネス氏のように「では、どのような根拠でゴウピだとおっしゃるのか」と問いただす上議もいたが、ジウマ氏は「罪もない人を裁こうとするのがゴウピだ」と、弁明のときに言った発言を繰り返すのみだった。
この弁明を傍聴席で聞いていたルーラ元大統領は、「ジウマはよくやった」と評価し、「今回の弁明を上議たちが事前に目を通していたら、罷免などと言う話にはならなかっただろう」と語っている。
だが、メディアの反応はいまひとつ鈍かった。エスタード紙はジウマ氏の弁明を評して、「裁判を有利にするようなものではなかった」とした。同紙は「大統領は粉飾会計のことに終始して弁明したが、上議たちが問題にしているのは政治や経済の空気の悪化そのものだ」としている。
さらに、労働者党(PT)内部でももう既に、ジウマ氏が罷免され、テメル政権が18年まで続くと想定して次の動きを模索し始めていると同紙は報じている。
30日は各上議が今回の罷免問題に対する見解を述べたが、それに先立ち、午前中から午後1時過ぎまで、罷免請求を作成した弁護士と弁護側のジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ元法相らが各々の見解を述べ、質疑応答の時をもった。
中でも注目を集めたのはジャナイーナ・パスコアル弁護士だ。これまでは終始、罷免を強く訴え続けてきた同氏は、罷免に追い込まれようとしているジウマ氏を思い、本来それを求めていないにもかかわらず、立場上、憲法に定められた規定の適用を求めざるを得ない自身の心苦しさを吐露した。ジウマ氏支持派の上議からは「ゴルピスタ」との野次も飛んだが、同氏は「私は法の遵守者だ」と言い返した。
上議たちの見解表明は午後2時半からはじまった。見解表明は81人中66人の上議が希望しており、最大10分の持ち時間で表明を行うと30日のうちに全ての上議の見解を表明するのは難しい。結論が出るのは31日未明か、31日朝に審理を再開して投票のいずれかになる予定だ。
タグ:PT PSDB PSD ルーラ 写真ニュース ジウマ大統領