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ソンブラ氏が癌で死去=Cダニエル事件のカギ握る人物

 サントアンドレ市長だったセウソ・ダニエル氏(労働者党・PT)が2002年1月に殺害された際、行動を疑惑視されて話題となった企業家セルジオ・ゴメス・ダ・シウヴァ(通称ソンブラ)氏が27日、サンパウロ市東部の入院先の病院で癌のため亡くなった。28日付伯字紙が報じている。
 ソンブラ氏は、同市長が2002年1月18日に誘拐・殺害された際、サンパウロ州検察局から事件への関与を疑われた疑惑の人物だ。誘拐の当日、ソンブラ氏はダニエル氏とサンパウロ市での食事会に参加し、ソンブラ氏が運転する車でサントアンドレ市に戻る途中だったからだ。2人は当時、親友つきあいをしていた。
 ダニエル氏はアンシエタ高速道で何者かにさらわれ、その2日後、サンパウロ州イタペセリカ・ダ・セーラの関門の前で銃殺遺体となって見つかった。
 当初、市警はダニエル氏の件を通常の殺人事件として判断していた。その後、市長は同市の政治家や市職員、交通企業などのあいだで横行していた贈収賄工作について独自に調査していたことが判明し、政治的な背景がある殺人事件ではとの疑いが浮上した。
 誘拐に直接関与したとされる、サンパウロ市南部に拠点を置く大人6人、未成年者1人の強盗団は、同年4月に逮捕された。ソンブラ氏も「誘拐を指揮した」と疑われ、7カ月間、警察に拘留された。だが、同氏は一貫して容疑を否定し、2004年の最高裁判決で釈放されていた。
 しかし、誘拐に関わっていた7人が数年の間に続々と怪死を遂げるなど謎の多い事件となった。ソンブラ氏は真相のカギを握る人物と目されていた。
 PT政権の弱体化と軌を一にするように、サンパウロ州検察は15年に、再度ソンブラ氏告発を行なうなど、注目されはじめていた矢先だった。