ブラジル日本会議(徳力敬三会長)は10日、天皇誕生祝賀会をサンパウロ市リベルダーデ区のニッケイパラセホテルで行った。式典には約30人が出席し、お誕生を祝う天長節の歌の唱歌、教育勅語の奉唱、ご健康と皇室の弥栄を願う万歳三唱を行った。
あいさつに立った徳力会長は、陛下が生前退位のご意向を示されたことで「世間の皇室に対する理解が深まってきている」と実感を語り、「陛下は83歳になられた今も一年に200カ所以上の巡幸をされている」とその苦労に対して感謝を捧げ、祝辞とした。
来賓には下本八郎元サンパウロ州議、矢野敬崇汎米日系人協会ブラジル支部長、京野吉男ブラジル日系協会会長が訪れ祝辞を述べた。高齢化で会員減少が続く同会議へ、より積極的に協力していくことを約束し、会員らを激励した。
式典後は、ホテル地下階のレストランで昼食会が行われ、歓談を楽しんだ。話題は陛下の生前退位にも及び、参加した新潟県人会の南雲良治会長(80、新潟)は、「自分も父親から仕事を引き継ぐとき苦労した。そういう経験をした人ほど後継ぎには同じ思いをさせないようにしたいと思うもの。そもそも高齢にも関わらず陛下には公務が多すぎる」と陛下のご健康を案じ、お考えに共感を示した。