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インドネシアの紙パルプ大手企業=ブラジルのエルドラド・セルロース買収間近

 インドネシアの企業グループ、シナール・マスグループ(SMG)傘下の紙パルプ世界大手、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)社が、ブラジル企業のエルドラド・セルロース社の買収交渉締結間近だと、28日付エスタード(E)紙が報じた。
 エルドラド・セルロース社は、複数の企業を支配するJ&Fインヴェスチメントス社(J&F)の傘下企業だ。
 J&Fとその社主のバチスタ兄弟は、現在、ブラジルでテメル大統領まで巻き込んだ大規模犯罪への関与が取りざたされている。
 E紙の情報源によると、買収契約は数日中に発表される見込みで、買収額は150億レアル(5190億円相当)と見られている。
 150億レアルの資金の半分は、エルドラド・セルロース社を傘下に納めるJ&Fにまわり、残りの半分はエルドラド・セルロース社が抱える80億レアルの負債の返済にまわる。
 J&Fは同件に関するコメントを避けた。
 J&Fは、5月にバチスタ兄弟がブラジルの検察当局と結んだ司法取引(報奨付供述)で、刑事罰を免れる代わりに多額の罰金の支払いを命じられたことで、多くの保有資産を売りに出している。
 J&Fはこれまでに、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの食肉生産拠点や、アパレルメーカーのアルパルガタス社、ヨーグルトを中心とした乳製品の会社ヴィゴールなどを売却している。
 J&Fは今後25年間で、103億レアル(3563億円相当)の罰金を払わなくてはならない。