原爆投下から72年の節目を迎え、二天古武道研究所(岸川ジョージ代表)は、『大和魂を蘇るイベント』を5、6両日に、ビラ・マリアナ区中央寺院日教寺及びコペルコチアで開催した。
宮本武蔵開祖の二天一流の免許皆伝し、日本古来の武士の伝統を普及させることを目的に1993年に創立された同研究所。現在、ブラジルを拠点としてアルゼンチン、メキシコ、チリ、ウルグアイ等におよそ50の道場を持ち、800余人の弟子が剣術、居合術、杖術3部門で稽古に励む。
同イベントには、全伯やアルゼンチンから120人の生徒が集い、戦後の勝ち負け抗争を描いた映画『汚れた心』(ビセンテ・アモリン監督、2012年)を鑑賞した。
その後、岸川代表が、勝負抗争が起こった背景や臣道連盟について説明。日本移民への強い偏見があるなか、誇りを失わず身を粉にして働いた先人の功績を称えて、日本人の誇りを説くと、生徒らは感動のあまり涙を流したという。
リベイロン・プレットから参加した鈴木ラファエルさんは、「先祖はいろんな困難を乗り越えて、我々の世代がより良く生きられるように苦労された。この過去を忘れることは決してできない」として、「研究所は、日系人としての大和魂を想い出させるところ」とコメントした。
その後、小原彰陸軍少将の協力を得て、コペルコチアで修行を行った一行。原爆死没者追悼のため黙祷を行ったのち、神道夢想流杖術、一心流鎖鎌術、一角流十手術、関口流居合術など、岸川代表の指導を受けて、およそ10時間の稽古を積んだ。