ホーム | ブラジル国内ニュース | 白骨死体、やはり政治犯のものだった 47年前に殺され、28年前に発見される

白骨死体、やはり政治犯のものだった 47年前に殺され、28年前に発見される

 20日、1990年にサンパウロ市で発見されていた謎の白骨死体の正体が、1971年に軍事政権によって殺された政治活動家のものであったことが正式に確認された。
 この死体は、1971年に25歳の若さで亡くなっていたジマス・アントニオ・カゼミロ氏のものであることがわかった。
 カゼミロ氏は当時、チラデンテス革命運動などのゲリラ部隊に属しており、1971年、軍部に資金援助を行っていた企業の会長暗殺を指揮した容疑で逮捕されていた。
 軍の刑務所関係者によると、カゼミロ氏は71年4月17日に、軍の拷問中に息絶えて亡くなっていたというが、軍がその事実を認めず、遺体の場所も不明となっていた。
 ところが、1990年9月、サンパウロ市北部ペルスのドン・ボスコ霊園で謎の白骨死体が入った箱や袋が1千以上見つかった。これらの骨は「先住民の墓」と名付けられた一角に埋葬されていたが、「軍が処刑した政治犯の死体ではないか」との疑いが持たれ、身元の鑑定作業が始まった。その中にカゼミロ氏のものもあるのではないかという疑惑は当時からあった。
 96年にはサンパウロ州も「遺体の確認に責任を持つ」という判断を出したが、遺体確認はなかなか進まず、1991年から2017年の間に身元が判明したのは3人に過ぎなかった。その中の1人が、カゼミロ氏の兄のデニス氏だった。
 2014年から真相究明に当たることになった団体のトラバーリョ・ペルスは、2017年9月に、行方不明となっている政治犯41人の身体的な特徴などに見合いそうな遺骨や、遺族らから集めたDNA鑑定用の資料をボスニアにある検死機関に送った。その中で、今回確認されたのがカゼミロ氏のものだった。
 カゼミロ氏は死亡当時、結婚しており、子供も1人いたという。(20日付G1サイトより)