安慶名栄子著『篤成』

  • 安慶名栄子著『篤成』(7)

     友人や近所の仲間たちが集い、すぐに新しい家を建て始めました。当時、田舎のほとんどの家は掘っ立て小屋で、特に難しい作業ではありませんでした。  政孝さんが直面した悲しみや苦しみは、当時の日本人移民の間

  • 安慶名栄子著『篤成』(6)

     耕地では、その地方で最も盛んなバナナと米が栽培されていました。父は早起きでいつも一番先に起床していました。雇用主が毎朝、そこで暮らし、そこで働いている方々全員に朝食の準備をしていたので、父は毎朝まだ

  • 安慶名栄子著『篤成』(5)

    第2章  夢のブラジル  船内での活動は豊富で、若い人たちの間では相撲や柔道、腕相撲などが人気を集めていました。数年後、それらの娯楽、特に柔道がブラジルのみならず、世界でも人気のスポーツになり、オリン

  • 安慶名栄子著『篤成』(4)

     那覇港では、家族、親戚、友人達がそれぞれ別れのテープをしっかり握っていました。汽笛が鳴った。もはや別れは避けられないでしょう。大規模な「鎌倉丸」がゆっくりと水面を滑り出し、段々と遠ざかっていくと同時

  • 安慶名栄子著『篤成』(3)

     私は、安慶名篤成と同様に1世移民としてそれぞれの苦難を生きてこられた皆さんに本書の一読をお薦めしたい。  またブラジル生まれの新しい世代の皆さんにもポルトガル語版で是非とも一読されますようお薦めした

  • 安慶名栄子著『篤成』(2)

     私は安慶名栄子から、この本を沖縄の親戚の皆さんに父の足跡を知って頂きたく日本語に翻訳したい、という相談を受け、早速宮原ジャネ朋代にお願いして出来上がった翻訳文を一気に読みました。いや、引き込まれるよ

  • 安慶名栄子著『篤成』(1)

    《はじめに》  メロ・クラレッテ 想像もしなかった道を進み、ついに実現されようとする夢。しかし、夢があるところには希望があり、希望がある者は諦めることはない。いばらの道を辿りつつも雄々しく、嵐に立ち向

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