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コロニアの総意で組織

 ◇大田信夫サントアンドレ市援協地区委員
 ブラジル日本文化協会はサンパウロ市を中心に活動している団体。その文協が中心になってブラジル日系団体連合会を組織したことは意味があった。連合会の活動が活発化することを期待したい。
 ブラジルの日系社会では一世が減少し、社会の中心が二世三世へと移ってきている。二世三世は一般的に日系団体への関心が低い。そのため二世三世は何らかの利益がなければ日系団体に参加しない。ブラジルよりも先に移民が始まったハワイの日系社会は現在、三世四世が中心。世代交代が進んでも県人会などの組織は精力的に活動していると聞いた。ハワイの日系団体が採っている運営方法を参考にしてみてはどうか。

 ◇嘉陽宋信援協地区組織委員会委員長
 日系社会の発展につながるなら、ブラジル日系団体連合会は必要だ。設立に反対はしない。二世が中心になって働いていることを評価したい。
 まだ日系団体連合会の活動内容を理解していない人が多い。コロニア内の意見を多く集めて慎重に進めていくべきだ。
 ブラジルにある日系団体の代表機関として四十五年間活躍してきた文協が、一日系団体に降格するのは物悲しい。

 ◇宍戸次男アマゾニア日伯援護協会事務局長
 ブラジル日系団体連合会の創立に反対はしない。パラ州とサンパウロ州は社会、経済的に性質が異なる。地域性の相違ゆえにアマゾニア援協が、日系団体連合会の会員になるのは困難。連合会の創立以前から連合会への加入依頼があった。アマゾニア援協は会議に参加しなかった。

 ◇西田康二子供の園評議委員会委員長
 日系社会は、太平洋戦争時の規制、皇太子の来伯といったきっかけがないと盛り上がらない。戦後五十五年が経過して、平和ぼけしているのが日系社会の現状。このようなマンネリ化した状態で、ブラジル日系団体連合会を組織するのは意味がない。日系社会の現状を維持しようとするだけの消極的なもので発展的なものではない。
 二世三世は日系団体が存在しなくて何の不自由もない。二世三世にとっては日系人だけが集まること自体がナンセンスだ。これからは二世三世に一任して、二世三世が作った団体に一世が協力する形が望ましい。

 ◇岩上輝子クリチバ日伯文化援護協会副会長(クリチバ)今までサンパウロの文協が代表してきた日系団体のまとめ役を今後は連合会が担っていくことになった。しかし設立が決まったときも「必要ない」、「今の文協を強めた方がいい」といった反対意見があったのも事実。資金面、運営面など問題もでてくるだろう。最初はいいが、いかに続けていくかの方が重要。今はまだ試しの段階に過ぎず、五年、十年先を考えるとその時までもっているかどうか。四百近くある日系団体をまとめていくには強力なリーダーシップが必要だ。