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俳優・竹本孝之の連載エッセイ-第1回-「桜の国の子供達」

2001年8月29日(土)

 NHKの長寿番組「中学生日記」に教師役で主演している俳優・竹本孝之さんが、本紙にエッセイを連載してくれることになった。「在日日系人の子供たちが、日本でどんな中学生生活を送っているか、また日本の姿を少しでも伝えることができれば」と、エッセイ執筆の動機を語っている。竹本さんは福岡生れの長崎市育ち、三十五歳。十代で歌手デビューし、レコード大賞新人賞、オリーブ映画最優秀新人賞などを受賞。テレビでは「鬼平犯科帳」、「大岡越前」などのほか、今年四月からNHK「中学生日記」に、アフリカ放浪を経て中学校の美術教師に就いた矢場真介役で出演している。著者の都合で掲載は月一回程度となるが、NHK視聴者には「中学生日記」と見合わせて、いっそう興味深いエッセイになると思われる[東京支社]。

 大人でもなく子供でもない、そんな微妙な年代を生きる日本の中学生をモチーフに、その子たちの悩み・生き方等をピックアップして構成されるNHK中学生日記。その四十年に渡る長き歴史のなかで、今年の四月より先生として参加させてもらった竹本孝之と申します。日本を離れてらっしゃる皆様には、あまり面識無き人物だとは思いますが、この度コラムという形で文章を書かせていただくことになりました。

 なぜ私が?と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。実は昨年、井上祐美さんというアーティストの方と、ステージをご一緒する機会があり、それ以来親しくお話をさせてもらうようになりました。井上さんというとご存知の方も多いかと思われますが、二年前より南米でツアーを行っている日本のシンガーです。今年も九月十三日から九月末まで再び南米ツアーを行うという話を聞きました。その方のスタッフの紹介という形で、このコラムのコーナーを書かせてもらう運びになった訳です。といっても私の本業は文筆家ではありません
 歌手であり、役者でありといった様な仕事を二十年続けてきた人間ですので、気の利いた文章は書けないと思いますが、今の日本の中学生と一緒に仕事をする大人の一人として、一体今の日本の中学生達はどうなっているのだ?といった事は伝えられると思います。
 自分の参加している番組が、日本の反対側の国でも放送されているという事に今更ながら驚きと共に感動を覚え、出来る事なら皆様の声もこの番組に生かせていければ幸いかと存じます。放送時間的には朝早くということになっておりますが、どうぞ番組を見て感想等を私の方までお伝えください、お願いいたします。