2003年1月1日(水)
リーダーに求められるものは、人々を惹きつける魅力である。その源は、不特定多数の求める価値、即ち公共財の実現にある。そして、実現の手段は、経営資源、ヒト、モノ、カネ及び情報の四つである。
経営資源(手段)は、常に不十分であり、公共財(目的)は無限の広がりを見せ勝ちである。限られた手段で目的を達成する為には、目的を明確に示し、優先順位を付し、社会的合意形成ができなければならない。ここにリーダーを必要とする原因がある。求められる資質は社会的合意形成力である。
求められるリーダーの機能は目的の明確化と手段の有効活用の二つである。従って、「あれもしたい、これもしたいが、資源が乏しいので不可能だ」と嘆くことしか知らない人はリーダーになってはならない。リーダーとは背丈で闘える人であり、背丈を伸ばす努力を怠らない人である。
公共財(目的)は日系社会の実態を反映し、海外生活している日系ブラジル人にも通用するものでなければならない。次に、組織疲労を起こしている既存インフラを整理整頓(統合と廃棄)し、そこに入れる内容、即ち長期事業と年間事業を確定することが仕事内容となろう。立案計画力が求められる。
最後に、実現可能な長期プランを仕立て、日系社会、ブラジル及び日本政府に売込まねばならない。その売行き如何が公共財の価値と経営資源の規模を決める。従って、リーダーにはマーケッティングの才も求められる。
以上のことはリーダーの個人プレイでは出来ない、一種の社会運動である。従って、私(Eu)という言葉が好きな人には向かない。我々(Nos)という言葉を大切にする人だけがリーダーになれるし、統率力を持ち得る。
◇文協は今、経営理念の再追求=改めて問う=日系社会の新リーダー像
◇〝日系〟不要、経営のプロを=日語普センター理事 中田みちよ