2003年新年号
会員の気持の理解者=沖縄県人会第一副会長 与儀昭雄
2003年1月1日(水)
これからの日系団体は「日本人だから」といって集まる〃日本人会〃という形ではなく、「カラオケ」「社交ダンス」「ゲートボール」などの特定の魅力をもった団体が主流になるだろう。そのような動員力を持った部門を幾つも抱えた団体のみが生き残る時代になるかもしれない。
リーダーにとって「職業的な成功」や「アカデミックな経歴」というものは不可欠な条件ではない。
何より大事なことは、日系団体を構成する会員全体の気持ちや志向を、良く理解していること。いくら見識が高くても、資金力があっても、会員の気持ちを理解し、動員する力がなければ、誰もついていかない。本来リーダーは上からやってくるものでなく、下(内部)から育っていくもの。
共通語を使わなくては新しい世代が議論の輪に入るのは難しい。日系団体を拡大するには二世、三世にとって魅力のある活動をしなくてはならない。だからポ語を中心にせざるをえない。良い、悪いではなく、自然の流れがそう。
それに逆らうと会員が減ってしまう。かといって日本語を尊重しないわけではない。全員が日本語話すのは理想だが、現実から逃げるわけにはいかない。
日本語でなければ、日本文化を伝えることはできないという議論もあるが、私はそう思わない。日本語ができなくても、日本人の良い面や日本文化を立派に受け継いでいるいる人もたくさんいる。むしろ、いかにポ語で上手に伝えるかを工夫することが重要だ。
ポ語を中心にするからといって、けっして一世の方々が尊い犠牲を払って築き上げてきた物をないがしろにすることは一切ない。それをより良く今の現実に合わせた形に適応させるのが我々二世の仕事だと思う。
◇文協は今、経営理念の再追求=改めて問う=日系社会の新リーダー像