1月7日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】ルイス・イナッシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ新大統領が一日、連邦議会で宣誓を行い正式に就任した。また「変革が新政権のキーワード」と宣言し、貧困問題を初めブラジルを理想国家に変える時が到来したことを強調した。大統領は三日、初閣議を招集し、三十日間に今年度省庁予算の見直しを命じ、一カ月間の支払い凍結と優先事項、非優先事項の分類を要求した。マンテガ新企画相は、議会で昨年末表決された二〇〇三年度予算に対し、新大統領が拒否権を発動するであろうと表明した。
就任式典には南米各国の大統領のほか、キューバのカストロ国家評議会議長、ゼーリック米通商代表らが出席し、世界の注目を浴びるなかPT新政権が、いよいよ活動開始した。
大統領は直ちに各閣僚へ、今年度予算の各支払いを厳重にチェックして、緊急事項に価するか否か一カ月以内に確認をするよう要求した。支払いが許されるのは連邦令の要求する場合に限り、それ以外は予算割当法に準ずるとしている。
企画相が補足して、今年度予算案を申請内容により一時保留または取り消しとし、思い切った予算カットが行われると通告した。また経済再建の四カ年計画により、国内総生産(GDP)の増強に全力を傾け税収増加と財政収支の好転努力の中、予算カットはその一環だと同企画相は述べた。
アダウト運輸相は三日、工事中のものを除いて六十件の工事入札を無期限保留とすることを発表した。これで入札予定となっていた五十億レアルの工事は、無期限中止となった。現存の国道補修を優先し、新規増設は目下ないという。
またヴィエガス国防相は三日、七億ドルにのぼるブラジル空軍新戦闘機十二機の配備計画を一年先送りし、来年初めに改めて決定することを明らかにした。これは貧困問題に予算を重点配分する大統領の意向に配慮したものとされている。
その他社会保障院のベルゾイニ総裁は、官民を初め軍属も含めた同一社会保障制度の設置実現を発表した。この制度改革は、PT新政権にとって最大の難問ともいわれ、新政権の試金石とする見方が多いようだ。