1月7日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】二期八年にわたる政権をルーラ新大統領に引き渡したカルドーゾ前大統領夫妻は一日、就任式終了直後、空軍機でクンビッカ空港へ飛び待機中のTAM航空でパリ向け休暇の旅に就いた。
大統領の紋章引き渡しの際、ルーラ新大統領が就任挨拶で「経済発展のかわりに不景気、失業、飢餓をもたらした政策は、ウンザリだ」といったのは、前大統領にとって心中穏やかでなかったようだ。「これから四年間に改革計画は進展するのか、しないのか観察させてもらう」と機中で前大統領は記者に述べた。
経済発展のひな型だけなら、前大統領にとって空理空論に過ぎないとした。前大統領は十二月、国連から社会改革の功績を表彰されたばかりで、さらに新政権は何をどのように改革するのか不可解だという。有権者の感情的な衝動による投票が、ブラジルをどこへ誘導し、これからどうなるのかが心配と述懐した。
ルーラ新大統領が国際協約の順守と前経済路線の継続に合意したことで、個人的には信用に価すると前大統領が評価した。新旧両大統領は同時期に政治活動に入り、軍政時代はグループは異なっても、弾圧下に呻吟したことで胸中相照らす仲としている。
任期中で最も不愉快であったことは、制御の仕様がない外部要因にさいなまれ非難されたこと。最も愉快なことは新政権が、いままで邪魔をして来た社会保障院の改革を先ず宣言したこと。今回の金融危機も一応収拾し、政権引き継ぎ式の雰囲気は良識あるもののそれであったことが、せめての救いと述べた。