今年はコロニアの代表機関と位置づけられてきた文協(ブラジル日本文化協会)《蘇生の年》と銘打てるか。実現への期待は大きい。文協役員の改選は三月に迫るが、承知のように岩崎会長ほか副会長五人の引退はすでに決まっている。現執行部に代わってどのような顔ぶれの登場となるか注目の的だ▼かつてコロニアの自慢だった産組(コチア、南伯)のあっけない自滅、さらには、コロニアと共に…の掛け声よろしかった南銀の身売りが続き、コロニアの誇りと自信は次第に喪失していった。この次ぎ姿を消すのは文協か?のささやきが聞かれ始めた▼「文化の殿堂」を自負してきたはずの文協は活力と吸引力も消え失せて気息奄々の状態。これを傍観できないとする実力者らが文協改革予備委員会を立ちあげた。改革委メンバーの真摯な〃志〃と識見豊かなビジョンは説得力がある。加えてその行動力を知るに及んで前途に光明を見出だす人々が確実に増えてきた▼文協改革の主眼点は「実権一世」の観念を一掃し、『実権二、三世』へ断固切り換えることにあろう。端的に申すなら一世はごちゃごちゃ言わず黙って退いたらよろしい。若い世代(二、三、四世)に一切委ね、存分に采配を振ってもらう。これこそが時代に即応した人材の配備であり、文協〃蘇生〃を確かなものとする鍵である▼一世は《強い文協》を築くため、あくまでも縁の下の力持ちに終始したらよい。斯くして開拓魂は永遠に生き続けることになる。 (田)
03/01/08