1月11日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】一九一六年につくられた時代遅れの旧民法が改正され、きょう十一日、新しいブラジル民法が発効となる。新民法は一九六九年に編まれたが、国会で可決されたのは二〇〇一年九月だった。法律専門家の間から「新民法はすでに時代遅れ」という批判の声も上がっているが、政府はそれを承知で発効している。
新民法で採用された主な改正事項は次の通り。
[家族]夫と妻の立場が平等になる。子供の場合も、夫妻の実の子も、養子も、夫妻どちらかの子供でもすべて平等な立場となる。登記所あるいは教会、寺院での結婚や世間が認める長期間の同棲生活、親(片方でも良い)と子孫たちの共同生活が、家族と定義される。一人で子供を産んだ母親とその子供も家族と認められる。
[結婚]家族を形成するためのものではなく、世間に認められている長期間の同棲も結婚の一種としてみなされる。同性愛好者同士の関係は入らない。また愛人関係は結婚できない。宗教的結婚と登記所での結婚の両方が認められ、結婚上の権利も同じとなる。貧困者同士の登記所での結婚や書類発行は無料となる。
[苗字]結婚時、男性も女性の苗字を付け加えて良い。
[処女性]結婚した女性が処女でないと発覚しても、男性は結婚を取り消しにすることはできない。
[不倫]以前の不倫は離婚の原因として認められる。旧民法と違う点は、不倫した側の離婚者が再婚を認められたこと。
[成人]成人は満十八歳以上とする。以前は二十一歳だった。両親の許可があれば、十六歳以上から十八歳未満の子供は結婚できる。
[コンドミーニオ]コンドミーニオ支払い遅滞による罰金は、コンドミーニオ最高額の二%までとする。うるさい隣人は、コンドミーニオ額の十倍までの罰金を科せられ、場合によっては、アパート立ち退きを命令される。
[食料援助金]離婚の場合、夫も食料援助金を請求することができる。
[夫婦の財産]結婚している間でも、財産の所有制度を変更することができる。
[子供の親権]子供の親権は、養育条件が良い方に渡される。父親でも母親でもよい。以前は、離婚した夫婦の子供は母親が引き取るとされていた。
[不動産の没収]完全に放置され、不動産税(IPTU)も支払い遅滞している不動産は、市、州、あるいは連邦政府の所有物として没収される。
[不動産所有権取得]不法居住者であっても十五年間に渡って、その土地や住宅に住み続ければ、その土地や住宅の所有権を取得できる。