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交通事故死亡者減る=サンパウロ市 過去二十年来で最低に

1月11日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】昨年のサンパウロ市での交通事故死亡件数は、二〇〇一年と比べて七・五%減少した。サンパウロ市交通技術公社(CET)によると、死亡者数は一千四百十二人で、一九七九年以来の最小値を記録した。
 死亡者のうち、五百八十六人が歩行者で、八百二十六人が車両乗員だった。
 交通専門家らは、数値が低くなったものの、サンパウロ市がブラジル交通法に基づいた投資を惜しまなければ、死亡者数はさらに減っていただろうと指摘。ロベルト・エスカリンジェーラ元CET総裁は、「これで交通事故問題が解決したと思ってはならない」と警告している。
 同氏は例として、交通法違反の罰金の九五%を交通状況の改善に回すことを勧めている。CETは、年間二億レアルを使うが、罰金は年に四億レアルも集まる。サンパウロ市は、「予算のすべてを交通関係に使っている」と主張しているが、交通専門技師などはそれを否定している。
 昨年の死亡者一千四百十二人は、乗用車一万台当たり死亡者二・七人の割合となる。ブラジルでは、一万台当たり六人、世界では三人が平均値。一九九八年のデータでは、イギリスとスイスは一・二人、日本は一・五人、ドイツは一・七人となっている。先進国と比べると、サンパウロ市の比率はまだまだ高い。