1月11日(土)
福祉団体を支援するため、慈善を冠した昼食会や夕食会などの行事がよく開かれる。開催に当たって一般に、入場券、招待券を発行、その売上を寄付するという形をとる。各種券の販売の一部が主催者側から支援を受ける側に任せられ、理事の負担となる場合も少なくない。団体名だけを貸して収益金を寄付してもらうのが理想だが、相手も好意で企画している以上、ある程度の協力は必要となる。では、どの範囲までなら、会として許せるかー。
「名前を使ってもらうのはよい。でも、入場券の販売を任せられるような企画はやめてもらいたい」。昨年十二月のサンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)の定例役員会で特別企画委員会はこう、提案した。
援協は各施設が別々で行っていた協力券リッファを九九年に一本化。賞品が豪華となるとともに、消化率も毎年ほぼ、百パーセントを維持、収入は計二十五万レアルを超える。
これが、慈善昼食会や夕食会と競合するのではないかとの懸念が背後にある。
最近、サンパウロ市内の一流ホテルで、千人を集めての夕食会、リベルダーデ区内のレストランでの昼食会などの企画が持ち込まれた。
援協のために実施してもらう以上、寄付だけを受け取るのは、気が引ける。援助できることはしたい。さりとて、理事の負担が増大するなら困る。
役員会では是非をめぐって、意見が交錯した。結論は出ないまま、終わった。
救済会(左近寿一会長)は、理事が券の販売しなければならないような企画を断っている。一年に一回のリッファとバザーでのビンゴに集中するためだ。
企画者に、「救済会はお金が余っているからでしょう」と、皮肉を言われることもある。
各種慈善行事を行えば、憩の園の知名度が高まることは確か。会場が施設になれば、お年寄りも喜ぶ。参加者に後日、慰問してもらえるという期待も大きい。
ボランティアの組織を整備、「社会参加の機会を増やしていく」ことを視野に入れる。
一世人口の減少などで、日系福祉団体は厳しい経営を迫られている。慈善と銘打った行事で多くの寄付を得ることができれば、経営は楽になる。が、支援を受ける側がどこまで、協力したら良いのか、議論を呼びそうだ。