1月14日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】外資導入拡大のため訪欧した中央銀行のメイレレス総裁は十二日、スイス・バーゼルの国際決済銀行(BIS)本部で国際金融の主要銀行代表と会談し、PT新政権が財政黒字を国際通貨基金(IMF)との協定率対GDP比三・七五%以上に引き上げる用意があることを表明した。黒字目標率について総裁は明らかにしなかったが、投資家が懸念していた事態は、すでに克服しインフレ抑制に努力していることを宣言した。
総裁は同席上、パロッチ財務相が今月中に財政改革法案を上程して、今年度財政黒字幅と目標インフレ率の設定を行うと発表した。そのため財務相は十五日、財政難に陥っているエスピリト・サント州を初め、各州知事を招集して均衡収支を徹底するよう財政指導を行う臨時チームを設けることを報告した。
この計画では放漫財政の州と堅実財政の州を分類して、国庫に損害を及ぼす州を特に留意する。財政難の州には連邦債務の分割決済で便宜を図り、州財政立て直しを行い責任の所在も明確にする方策を総裁が明らかにした。
新政権が目玉とする社会福祉政策へ、インフレ緩和による資金捻出を行わないと総裁は確約した。中銀は党綱領とは一線を画しつつ、現実主義をモットーとし歳出が歳入を上回るようなことはさせないとした。
インフレ率については目標率をほぼ達成し経済安定も達成した。しかし、経済成長を達成できなかったことで、低率インフレは経済成長の必要条件であっても妥当な経済発展には十分条件でないと反論した。
PT新政権の出現による悲観的予測は覆されて資金の流れが変わり、信用回復は戻りつつあると総裁は報告した。実績は一朝一夕にいかないが、必ず経済は再生し回復するとした。
フラガ前総裁のBIS役員就任に向けて、総裁は前政権時代でのフラガ前総裁の功績と国際金融へブラジルの金融管理システムを紹介した実績を称賛した。