1月14日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】リオデジャネイロ州市警は十日午前、リオ市西部セナドール・カマラー区のコレイア貧民街とレブー貧民街に警官二百七十七人を突入させ、少なくとも十一人を殺害した。
殺害された十一人のうち、二人が無関係の市民だった可能性が高い。軍警伍長も射殺され、市警刑事が頭部を撃たれて重傷を負った。市警の目的は、麻薬密売者四人を逮捕することだった。麻薬密売に関わっていたという軍警官二人も逮捕された。
警察は同日午前八時ごろ、犯罪組織第三コマンド(TC)に所属する麻薬密売者ロビーニョ・ピンガの逮捕状を持って両貧民街に到着。警察はヘリコプター二機の援助のもと、多数の家屋に入って捜索を続けた。ピンガ容疑者本人は逃走に成功したが、有力な手下二人は警察に射殺されたという。
ジョジーアス・キンタル保安局長官は、「死者を出すのは不本意だが、麻薬密売者側から発砲行為があった場合、作戦の結果は通常殺し合いだ。多数の犠牲者が出たが、作戦は合法だった」と述べている。
貧民街の住民のスエリー・A・シャーガスさん(四三)は、「警察が家に入り、婿(二二)と甥(一七)を射殺した」と証言。同家には同日午前六時ごろ、市警の作戦に気付いた麻薬密売者ら四人が、シャーガスさんを脅して無理やり押し入り、避難していた。「警察に二人は犯罪者ではないから殺さないでと頼んだが無駄だった。女たちだけを家から出し、残りは全員射殺された」と怒りに震えていた。
市警の作戦を担当したアウヴァロ・リンス警部長は、「同家で警官(軍警)が一人殉職している。麻薬密売者側が抵抗したことは明らかだ。作戦は合法だった」と、キンタル長官のセリフを繰り返した。