ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
伯米足並み揃わず=利害反するベネズエラ問題
1月16日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】エクアドルの大統領就任式出席のためキトーを訪問したルーラ大統領は十五日、ベネズエラのチャーベス大統領と昼食をとった。大統領は米国の思惑をよそに、同国の紛争解決に周辺国を結集してリーダーシップを執り独走しているらしい。
米政府がベネズエラ野党の言い分に耳をかすかたわら、ルーラ大統領は与党を正規の手続きを踏んだ政府と認め支援している。大統領の音頭で集めたベネズエラ友好国代表と共に十五日午後、米州機構(OAS)事務総長と紛争解決に向けた最終案を決定する予定だ。
米政府もジョン・メイスト特使一行をキトーへ派遣して、ルーラ大統領を初め、アモリン外相、ガルシア特使、ノゲイラ大使を交えて伯米間の見解の相違や紛争と友好国会議の関係について協議する予定。伯米双方はいまや紛争を複雑化したとして、水かけ論を演じているようだ。
米政府はイラク攻撃が始まれば、ベネズエラの石油を急遽必要とするため紛争の早期解決を望んでいる。ブラジルは紛争が長引くほど、経済休止状態の隣国へ工業製品を輸出できるので利害がからんでいる。
いっぽうOASのガビリア事務総長は、ルーラ・チャーベス会談は紛争解決に無益だとし、二カ月にわたって交渉してきたOASの努力を水泡に帰すると苦言を述べている。また大統領が友好国会議に、南米以外の代表をも招じ入れようとしていることを非難した。