1月17日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】一カ月半にわたるベネズエラ紛争で、ブラジルが米国と主導しメキシコ、チリ、スペイン、ポルトガル六カ国の支援により、ルーラ大統領提案のベネズエラ友好国会議の設置およびガビリア米州機構(OAS)事務総長とアモリン伯外相のコーディネーターで同国の紛争解決に取り組むことで十五日、米特使一行を交えた全員が合意した。友好国会議の設置で、ブラジルの外交能力が評価されている。
ベネズエラ友好国会議はスペインとポルトガルをオブザーバーとして、さらにエクアドル、コロンビア、ペルー、ボリビア大統領の了承をルーラ大統領が取り付けた。
紛争解決に向けた対処法で先ず伯米両国は意見調整を行い、OAS事務総長に両国の意向を伝えた。紛争解決の音頭が、引き続きOASの役目となったことで米政府の懸念は解けた。
アモリン外相はOASの立場を支持して、周辺国の介入は必要が認められる時にのみ容認するとした。ルーラ大統領はチャーベス・ベネズエラ大統領に影響力を持ち、米政府は同国野党に会話のパイプを持っていた。外相は同問題には四つの鍵があり、それは民主化、法整備、話し合い、選挙制度としている。
同国は与野党とも過激的で、短期間では話し合いの席に着くのが困難であった。誰もが紛争解決が長引き、事態が複雑化することを恐れていた。事態を収拾したのはルーラ大統領だと、関係者が認めていると外相は述べた。米国はOASの事態収拾能力を懸念していた。
クレイ・ジョンソン氏を団長とする米国務省次官級四人の特使一行は当初、アメリカ大陸以外の国が同問題に関与することに反対していたが、支援は必要とする大統領の説得により折れた。左翼勢力の拠点つくりを恐れた米特使一行は大統領との会談前に外相と個別会談を行い、ブラジルの真意を了解したようだ。
大統領は、ベネズエラに穏便な民主革命を起こすと宣言した。革命というと一様に危機感を持つが、革命完遂後は嵐の後の静けさが来ると述べた。