1月17日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】国立自然環境保護院(Ibama)の生物学者で生態系担当のモアシール・アルーダ氏が、三年間の研究を完成させ、ブラジル国内の七十八カ所の生態地域を指定した。生態地域とは、生物多様性の保護計画の対象となる森や植物などがある場所のこと。アマゾン森林は、均質性がないので、二十三の生態地域に分けられた。
ブラジルの生物多様性の保護は、国立公園や環境保護指定区域などで現在行われているが、どの地域も公平な形で保護されているわけではない。例えば、アマゾン森林は、全体の四・八三%が国に完全に保護されている。反面、大西洋森林は、全体の〇・七二%と少ない。ブラジルで最も保護されていないのは、カアチンガ(〇・六九%)、パンタナル(〇・五七%)、南部平野(〇・三%)など。
「ブラジルにある七つの気候帯を詳しく区分けする生物地域的な概念がこれまでなかった。環境保護ユニットと呼ばれるものはあったが、生物多様性の観点とは違う基準を用いていた」と、アルーダ氏は説明している。
生物地域の概念は、世界自然保護基金(WWF)によって開発された。Ibamaは、特にセラードやカアチンガなどの各気候帯を詳しく分析し、生物地域を割り出した。アルーダ氏は、「生物地域の指定によって、環境保護政策などに大きな影響を与える」と言明している。
生物地域が決定したことで、正式に政府によって環境保護がされていたかどうかが詳しく分かるようになった。生物地域別に、新しい環境保護ユニットをつくるための研究が行われている。植物や動物との関係からなる複雑な生物地域を、どのように保護していくかを検討する。
Ibamaによると、アマゾン森林は二十三、セラードは二十二、大西洋森林とコステイロ地方はそれぞれ九、カアチンガは八、パンタナルは二つの生物地域に分けられる。南部平野は、唯一の生物地域から成る。