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農薬汚染度増す農産物=8割が許容数値超=長年摂取はがんの恐れも

1月17日(金)

 【アゴーラ紙十日】衛生監督事業団(Anvisa)が最近行った農薬汚染調査によると、調査の対象となった九種類の野菜やフルーツなど一千二百十五個のうち、八一%に相当する一千十五個が、人体が問題なく消化できるAnvisa指定の農薬限度値を上回っていた。農薬汚染調査には、サンパウロ州、パラナ州、ミナス・ジェライス州、ペルナンブーコ州のスーパーマーケットで販売されている野菜や果物を利用した。

 調査された野菜や果物の一八・二%に当たる二百二十三個が、使用が許可されている農薬を多く使いすぎていた、あるいは使用禁止の農薬をかけられた、という理由で、ほかのものより農薬汚染がひどかった。
 農薬汚染ランキングは次の通り。
 一位=イチゴ、四六%。
 二位=トマト、二六・四%。
 三位=ジャガイモ、二二・二%。
 四位=パパイア、一九・五%。
 五位=レタス、八・六%。
 六位=バナナ、六・五%。
 七位=リンゴ、四%。
 八位=オレンジ、一・四%。
 九位=ニンジン、〇%。
 Anvisaのルイス・クラウジオ・メイレーレス氏によると、イチゴが汚染トップになった理由として、(1)イチゴの表面はシワが多く、農薬の除去が困難、(2)イチゴはデリケートなので、ほかの作物より農薬が多く使われる、(3)摘んだ後すぐ消費されるため、農薬の効き目が薄らぐ時間がない、などを挙げている。
 メイレーレス氏によると、農薬を長年摂取すると、がん発症の恐れがあり、胎児の変形や不妊症などの原因にもなるという。農薬の一種は、男の胎児に悪影響を与えることが証明された。男性が大人になった時、尾がない精子を生産するため、子供をつくることができない体質となるからだ。
 メイレーレス氏は、「生産者側が、最も農薬の危険にさらされている」と警告している。ちなみに米やフェイジョンは、収穫時と消費時に長期間を置く場合が多いため、農薬の悪影響が少なく、前回の農薬汚染調査で合格している。
 農薬が多い商品は通常、人間の目で見分けることは不可能だ。農産物の表面から化学物質の臭いがしたり、白い粉のようなもの付着していたりというのは、非常に稀だという。
 農薬の多量消費を避けるに、アゴーラ紙は次の事項をアドバイスしている。(1)有機農産物(農薬なしの農産物)を販売する場所で購入する。(2)調査で農薬が少ないと表示された農産物を消費する。(3)食べる前に、農産物の皮をむく。(4)多量の水を使って洗う。場合によっては洗剤を使って洗う。