1月23日(木)
サンパウロ市サント・アマーロ区グラジャウ地区で、幼稚園から中学校までの一環校の建設が進められている。低所得者層にも教育を受ける機会をつくりたいと、小野照美さん(五二、二世)が発案、〇一年に着工した。〇四年二月からの開校を目指す。
小野さんは夫の紘一さん(五四、二世)と、サント・アマーロ区内に学用品販売店を二件、構えている。
開業して二十年以上、日曜日も休まず、正月を除いて毎日営業してきた。就学期の子供を持つ親たちとの親交が深い。
「貧しくて勉強出来なかったが、子供には学業を身につけさせたい」といった父兄の声をよく耳にする。
ここ最近、低所得者の間で教育熱が高まってきたものの、人口の割りに学校の数が足りない。
五十歳の足音が聞こえてきたある日、社会に貢献したいと学校建設を思い立った。「このまま、定年退職して、自宅でのんきに暮らしたくない」。
一年半、毎週二回大学に通い、九九年、校長になるための資格を取得した。
敷地面積二千平方メートル。鉄筋三階建て。自然採光をふんだんに取り入れ、明るい雰囲気を出す。運動場や遊び場なども充実させる。
全学年合わせて、二百五十人を想定、低学年から、受け入れる。
工事は、店に資金的な余裕がある時に、徐々に進めてきた。これまで三十万レアルを投じた。
これから、内装段階に入る。カリキュラムの作成など具体的な事業内容も詰めていく。
学校は将来、次女の知恵美さん(二二)が引き継ぐ予定で、大学で教育学を研究中だ。