1月24日(金)
【ジアリオ・デ・サンパウロ紙二十日】サンパウロ市には、違法に宅地造成された三千のスラム街に八十万世帯が居住している。市はスラム街の合法化手続きと上下水道を完備する都市化のために今年、一億七千万レアルの予算を計上した。ただしサンパウロ市のスラム街を全面的に合法化する場合、十八年間にわたり五十三億レアルの資金が必要という。
サンパウロ市で最も目立つスラム街は、高級住宅に隣接した地域と市中心部のスラム街。また最も広範囲に根を張っているのは、各地域で行われた違法宅地造成に建てられたスラム街で三千箇所、市の一七%に相当する。
スラム街の六十万世帯には、水道も下水、街灯もない。違法宅地の合法化手続き費用は、一ロットが三千レアルで地主がこれだけ払えば、正式の土地権利書を入手できる。
三千箇所の内、二千箇所にあたる二十万世帯は全く無秩序な区画割りでバラックを建てているので、一度全家屋を取り壊して、新たに宅地造成をする必要があり、手続き費用は高価につくとされる。その他に高架道下や水源地域、崖崩れの可能性のある地域などの世帯もある。公有地に建てられたスラム街四万世帯は、市議会の払い下げ表決を受ける必要がある。
連邦政府も、違法宅地や違法建築の合法化を、全国大都市で大量に行うことを計画に折り込んでいる。しかし、各造成地の基本台帳になる図面は、一八五〇年に作成したものしかなく、違法造成地にある各ロットの現時点での再確認作業は至難とされる。