1月24日(金)
青年会議所の新会頭に小林ヴィクトールさん(二八、三世)が就任する。その就任式と披露パーティーが二月三日午後七時十五分から、ニッケイパレスホテルで開かれる。小林会頭は、元連邦下院議員だった小林パウロさんの長男。会員のリーダー能力開発と、福祉団体などを訪問して援助活動をしたい考えだ。日系三世として、ブラジル社会の中で日本人が培ってきた日系人の良いイメージを失わないようにしたいと強調した。
小林会頭は二十三日、同じく日系三世のファビア・ヒロミ・タナベさんと来社、自己紹介した。タナベさんは青年会議所の秘書に就任する。
小林会頭は一九七四年九月十二日、サンパウロ市に生まれる。マッケンジー大学で経営学を専攻し、卒業後、カリフォルニア大学に留学して国際貿易学を学んだ。青年会議所では昨年まで副会頭で商業部門のリーダーだった。リーダーの条件について、「よく人と話し、意志の疎通を図ることが大事だ。知識の集積ももちろん必要。意欲的に知識を集めること。企画は継続的に進めること。グループで仕事をする能力も身につけなければならない」などと語った。青年会議所の会員は現在、約百人いる。
会頭就任中に実施したい企画は、社会貢献する団体に対し援助、協力すること。
日系社会、ブラジル日本文化協会については、「リーダーがいなく、弱体化している」と認識している。「日系人として、祖父母、父母たちが困難と闘いながら、営々として築いてきた日本人の良いイメージをブラジル社会に残し、失わないようにしなくてはならない。正直、勤勉などの日本人の心、良い資質を保持するように努力していきたい」などと説明した。
日系政治家の衰退については、「出稼ぎによる日系人口の減少と、政党が増えて日系票が分散したことが原因」との認識を示した。「意識的にリーダーシップを日系社会の中に育てなければならない」とも述べた。「日本人一世から二世、三世へと世代が下がるに従い、日本文化が失われ、ブラジル文化への依存度が高くなる。その流れの中で、日本文化の流出をくい止めることが肝要だ」と話した。