1月29日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】大統領に随行して訪独したパロッチ財務相は二十七日、米英軍のイラク攻撃が実施される場合の戦時経済体制プランは用意していないと言明した。イラク攻撃に対するイスラム圏の総決起が噂される中、長期戦になるか短期戦で終わるか予測できないことで記者団の質問を受けた財務相は、ブラジルも戦時体制に備える必要があるかは疑問だとした。たとえ長期戦に突入しても、最悪の事態を想定した国家総動員令は不要だと述べた。
財務相は、ハンス・アイヘル独財務相とブラジル人で同国の財務次官になったカイオ・コッホ・ウエザー氏と会談した。ブラジルの経済政策は平時プランで、イラク攻撃の可能性については憂慮するが、ブラジル経済は戦争に強い体質で数々の危機に遭遇しており、財務相は楽観していると語った。
それよりも、不当評価されているブラジルのカントリー・リスクの軽減と国際クレジットの増大に努力することを目標にすると言明した。
戦争の経済的衝撃は一時的なもので、極端な不均衡経済が長期に続くとは考え難いという。また衝撃はブラジル経済だけを襲うものではなく、世界経済全体が特需で影響を受けるものと財務相は見解を述べた。
中国政府がイラク攻撃で表明した論評の「最も上手な戦争は、戦わず勝つこと」を財務相は取り上げた。戦争の可能性が高まったことでレアル通貨が下落したが、ドル通貨がうなぎ登りで天井値に達することもないと財務相は見解を語った。