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景気のいい話聞けるか=パラー州のピメンタ

1月29日(水)

 ブラジル国内のピメンタ(胡椒)生産量の九〇%近くを占めるパラー州。昨年九月から十月にかけて、収穫が終わった。生産量は、ほぼ一昨年(二〇〇一年サフラ)並み。気になる国際相場も、ライバル国である東南アジアの天候異変などで、景気のいい話が聞けるのではないか、と予測されている。パラー州内の生産農家としては有数の栽培規模を誇る岡島農園(岡島博さん=六十歳=経営)でも、昨年サフラは一昨年並だった。
 岡島農園のピメンタ栽培は、国道10号線に入り二〇〇キロ地点のイピシューナ郡内に三百ヘクタール十万本、もう一カ所三〇〇キロ地点にあるパラゴミナスの六百八十ヘクタールにも十万本。
 両農場で生産されるピメンタの量は合計で約六百トン。収穫期に雇用している労働者は六百人。これといってほかに産業がないイピシューナ郡では住民の雇用で地域経済に好影響を及ぼし、郡当局から高く評価されている。住民があちこちに溜めている借金が、この時期に一度に精算され、町にお金が回り始めるとか。
 岡島農園のピメンタ栽培の特色は潅水。これで圃場の湿度を一定に保ち、EM菌などの微生物有用菌をパイプを通して散布している。潅水設備の有無で、一本の木から生産量が一キロくらいは違ってくるという。しかし、設備の経費は大きい。ヘクタール当たり二千五百レアルにもなる。
 岡島さんは「確かに経費はかかる。普通ピメンタは一千五百ドル(トン)程度から利益が出てくるが、うちの農場では二千ドル台にならないと出てこない」。
 それでも、国際相場で競争出来る永年作物としてピメンタは設備投資の価値のある、という。
 現在の世界のピメンタの生産量は二十八万三千トン、うちブラジルのシェアは一二%。インド、インドネシア、ベトナムについで第四位。一昨年は四万五千トンが生産され、うち四万二千トンが輸出された。(『パンアマゾニア』)