1月29日(水)
日伯学園検討委員会(中村和右委員長)は二十八日午後二時半から、文協ビル会議室で記者会見を開いた。中村委員長、小山昭朗委員、岡野脩平委員、岩崎秀雄文協会長が出席した。会見では、三月に予定されていた『日伯学園構想シンポジウム』は延期し、次期執行部に委ねると発表した。約二年間、各分野の有識者と開いてきた会合の総括ともいえる報告書を作成したことも報告。多くの提言を盛り込んだこの報告書は三月上旬には製本、出版される。なお、同委員会は三月六日の理事会で事実上解散する。
中村委員長は約二年前に構成された委員会の今までの活動を報告。「日系社会の意向として日伯学園は求められている」との見方を示した上で、『日伯学園構想に関する報告と提言』を作成したことを報告した。
この報告書は約二年間に渡り、各界の有識者や十数団体との会合、コミュニティー系の学校を見学してきたまとめとなるもの。
多少の修正と各会合の出席者などのデータを揃えた上で製本化、日ポ両語で出版され、三月六日に開かれる理事会で配布する。なお同書は全伯にある約四百の主要日系団体、関係教育機関などにも配布し、これから全伯レベルでの議論のたたき台にする考えだ。
三月に予定されていた『日伯学園構想シンポジウム』の開催は、同時期の文協改革問題や役員選挙などの影響により開催は困難と判断。シンポジウムの開催や、構想の具体化などは次期執行部の判断に委ねることになる。
岡野委員は「最終的に統一案を出すことができず、二案並立となってしまったことは残念」としながらも、「これらの『提言』というボールを次期執行部が受け取ってくれることを期待したい」と話した。
なおこの提言書にはデカセギ帰国子弟への対応や日本語教育の全伯的ネットワークの構築などを目指した『日伯学園支援センター』設立の提言も盛り込まれている。