1月31日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】実力がありながら解雇される人が増えている。なぜ馘首になったのかと煩悶するが、理由は本人が考えていることとは全く異なることが多い。多くの場合、品格が実力よりも問題だ。
プロとして技量不足とか、下品とか、会社が経営不振で人員整理をするとかいうなら説明は簡単だが、品は上司の主観的判断になるので解雇理由は説明しにくい。企業は本当の解雇理由は、ほとんどいわない。拙い関係をつくって、敵にまわさないため、上手に説明する。事態は何時どのように変化するか分からないのだ。
統計によれば、スタッフのチーフとして性格的に不向きであれば解雇するとした企業は八七%、時代感覚がずれているが六一%、協調性に欠けるが二〇%という。
解雇された本人は、品格と営業利益とどっちが大切か。なぜ品格が今取り上げられるのか。それは、価値観の相違ではないか。プロの世界は、もっとドライなものではないか。企業の栄枯盛衰と品格が、どう関係するのか。潰れかかった企業を立て直した猛烈社員でも、喉元過ぎれば処分されることはある。
技術的にはプロたちは同じように見えるが、個性と創造性は全く異なる。最近企業は、社員の人間関係を重視するようになった。目標達成による喜びを社員が共有する人間関係を保ち、団体行動に役立てようと考えているようだ。抜け駆け的成績を戒める傾向が出て来ている。