2月1日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十一日】サンパウロ州では昨年、六百十人の市民が警察官によって殺害された。この数字は、故マリオ・コーヴァス知事とジェラウド・アウキミン知事政権の過去八年間で最高で、毎月平均五十・八人が殺害されたことになる。犠牲者には、強盗や誘拐犯などの犯罪容疑者も含まれる。
これまでの最高記録は、コーヴァス政権時の二〇〇〇年で五百九十五人。アウキミン副知事が知事職に就いた二〇〇一年には、四百五十九人まで減った。昨年は、三二・八%増の六百十人に跳ね上がった。
二〇〇〇年、五百九十五人の殺害状況が、市警・軍警の特別治安判事の調査によって、五一%が背中から撃たれていたことが明らかになり、コーヴァス政権に批判が高まった。
サンパウロ州では当時、警察による殺害を査察する一般人参加の委員会が発足。警察官や市民の死を避ける方法を論議するのが委員会の役目だったが、昨年初めにこの委員会は解散された。
昨年は、サウロ・デ・カストロ・アブレウ・フィーリョ検事がサンパウロ州保安局長官に就任して、多発する犯罪に終止符を打たんと大規模な警察の犯罪者抑圧作戦が次々と実行された。同年三月、ソロカバ市で起きた犯罪組織PCC(首都第一コマンド)のメンバーとされる十一人が殺害されたのも、作戦の一環であった。
軍警は、昨年起きた市民殺害の八八・六%が、犯罪者の大胆な犯罪行為によって引き起こされたと考えており、「犯罪者は警官よりも優れた武器を手に入れており、これまで以上に手強く危険になっている。このような状況では、軍警も抵抗せざるを得ない。身を守らなければ、警官の方が殺されてしまう」と弁護した。
一方昨年、作戦中に殉職した警官の数は、二〇〇一年の五十八人より一人増えた五十九人。最高記録は一九九九年の七十二人だった。
警察特別治安判事らは、市民殺害件数の増加について、「警察が凶暴化し、社会を脅かす存在になりつつある」と述べ、「このような保安対策は効果的ではない」との結論を出した。