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政府、燃油の配給制検討=中東紛争の長期化を想定

2月1日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】ルーラ大統領は「我々の宣戦布告は殺人ではなく、餓死線上にある人の人命救助戦争だ」と宣言して〃飢餓ゼロ〃計画が開幕した。
 そのいっぽうでペトロブラス石油公団は三十日、米英のイラク攻撃とイスラエル総選挙で強硬派が勝利したため、中東情勢の長期紛争化を想定した国内の燃油配給制度を検討していることを明らかにした。
 イラク攻撃とパレスチナ紛争の関連が不明瞭な中、中東情勢が突然険悪化した場合の国内消費用の燃油供給計画が欠如していると関係者が指摘した。緊迫地域で生産する石油への依存度が少ないブラジルは特に警戒感はないが、非常時を想定した石油の供給制度を提案する専門家が多い。
 平時とされる現在の輸入燃油の依存度は、サウジ・アラビアから一日当たり六万五千バレル、イラクから三万バレル。この量はペトロブラスの長期受給契約の一九%に相当するが、依存度は月々低下。公団の精油設備の不足で、一部を輸入しているのに過ぎない。
 ジルベルスタイン原油庁前長官は、配給制度を実施するなら最悪の場合、現在の消費量を一〇%から二〇%削減する必要があるとみている。しかし産業用には、配給の必要はないという。また一度配給制度を実施すると、消費者は有効な節約法を考案し、配給を終了しても少量で同じ効果を上げることを体得している。