2月1日(土)
イタペセリッカ・ダ・セーラ市在住の陶芸家生駒憲二郎さん(五四)がパラグアイ・イグアス移住地で、穴がま造りに挑戦する。最後の移民船でブラジルに来て、三月で満三十年を迎える生駒さん。来月二日から現地に赴き、節目の大仕事に取り組む予定だ。
「今まで仕事、仕事に追われていた婦人方に趣味の場を作ってあげたい」
現地で農業を営む久保田洋史さん(パラグアイ日系農協中央会前会長)のそんな思いからこの企画は始まった。久保田さん個人が出資、かまは私有地内に構える予定という。
パラグアイの土はすでに生駒さんが持ち帰り、実験済み。「ちゃんといいものが焼けたよ」。まきの方も、「ブラジルの木よりも堅く、燃えがいいと聞いている」そうだ。
穴がまの特長は長時間、「焼き絞め」た作品が出来上がること。その風合いは、備前焼のようなと言えば良いか。しかし、生駒さんは「インディオがやっていたような低温度で出来る素焼きも教えていきたい」と話す。
ただ娯楽・趣味の場として活用するだけでなく、現地の労働力を使い工場として運営していくーがゆくゆくの狙いだ。「目立った工芸品のない移住地周辺の土産物になれば」。地域の活性化も視野に入れている。
「今後、月に何回か通うことになるかな」と生駒さん。移住地には四人の同船者もいるそうで、声も弾む。
生駒さんはイタペセリッカ・ダ・セーラ市の自宅兼アトリエで陶芸を教えている。希望者は電話4666・4777まで。