2月1日(土)
サンパウロ総領事館(赤阪清隆総領事)は三十日、二〇〇二年に同館が発給した査証総数が二万四千九百九十七件だったと発表した。前年を四千百八十一件(一四・三%減)下回り、デカセギを対象とした特定査証、興行のための就業査証ともに前年より減少した。一方、観光などを目的とした短期滞在査証については、五、六月に開催された日韓共催W杯の影響もあり、百十二件(二・一%増)の増加をみた。この日定例会見した赤阪総領事は「特定査証についても、レアルの下落などで三月以降は増加傾向にあった」などと分析した。
発給査証の内訳についてみると、特定査証は四千二百五十八件少ない一万八千六百五十一件(一八・六%減)と最も減少。二〇〇一年九月の米国同時多発テロや日本国内の不況の影響を受けた格好だが、昨年三月からは増加傾向にあり、同十一月には年間最高の二千八百三十五件を記録した。
同館では、昨年七月以降レアルが下落し始め、ドル高差益がブラジルには魅力があることや、デフレ不況に苦しむ日本国内の中小・零細製造業が、人件費節減を求めて日系ブラジル人を雇用していることを理由に挙げている。
観光、短期商用などを目的とした短期滞在査証は同時多発テロの影響も薄れ、三月ごろから回復。W杯での渡日も加わり、百十二件増加した。
また、研修や留学、興行を含むその他の査証については前年より三十五件少ない八百十七件(四・一%減)となった。特に興行目的の就業査証は、日本の不景気を反映して前年を一五・五%下回る二百九十四件にとどまった。