私用のため年末年始は、日本に一時帰国した。
夏真っ盛りのブラジルから、真冬の日本へ。時差ボケはなかったが、その温度差は辛かった。
数多くの雑用を抱えているのに、寒さのあまり外出する気になれず、気が付けばストーブの前が指定席になる有り様。
目の前に張られた「火の用心」のステッカーを眺めながら、ある消防隊長の言葉を思い出した。
「冬になるとブラジル人が火事を出すんや」
雪国だった前任地では、ストーブを火の元とする火事が相次いだ。取材のため現場に駆け付けると、たどたどしい日本語で事情聴取を受けるデカセギの姿。使い慣れないストーブの扱い方を間違って出火させたという。
その後消防署が開いたストーブの使い方を知らせる講習会には、大勢のデカセギが参加した。
春はまだ遠い。(記)
03/02/01