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サンパウロ市路線バススト 労使共謀し仕組む!?=新交通方式の阻止狙い=スト続き350万人に影響

2月5日(水)

 【既報関連=フォーリャ・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン四日】サンパウロ市路線バス会社の運転手や車掌らが、三日午前零時からストライキに入り、食事用チケットの遅れや、労働年金とも呼ばれる勤続年限保障基金(FGTS)の支払いの遅れなどを訴えるほか、サンパウロ市の新しい路線バス会社の入札方法も変更させるよう、圧力をかけている。
 エーリオ・ビクード副サンパウロ市長は、このストが「ロックアウト的だ」と言明した。ロックアウトとは、労働争議の際に雇用主側が講ずる一手段で、工場や事務所から労働者を締め出して、その就労を拒否することを指す。ジウマール・タットサンパウロ市交通局長も、「新しい交通機関システムの発足を阻止しようと、バス会社経営者と労働者組合が組んだに違いない」とみている。
 地方労働裁判所(TRT)は三日、渋滞ピーク時間にはバスの八〇%を、残りの時間帯には六〇%を運行させるよう命じていたが、バス会社従業員側は四日もストを続行した。
 バスやロタソンなどを管理するサンパウロ市交通機関公社(SPTrans)によると、三日には九〇%、四日には九六%のバスが運行を停止し、三百五十万人の足に影響を出した。
 市内に十四カ所あるバスターミナルはすべて閉鎖。三日には、スト入りを拒否した四社のバス計七十九台が破壊された。四日は、南部のトゥピー社とパラトードス社だけが運行。同日午後一時三十分までに、十六台のバスが破壊されていた。ちなみに現在サンパウロ市は、バス会社三十九社の運営を許可している。
 このストは、昨年六月以来最大規模のものとなった。今回のストは従業員の給料が遅れていない中で起きた。バス会社労働者組合のエジヴァウド・サンチアーゴ組合長は、FGTSの支払い不履行などをストの原因としながらも、サンパウロ市の新しい交通機関システムに対するデモであることも認めた。「システムが近代化しても、労働者の労働条件が以前より悪化するのでは意味がない。システムが変更されるのなら、労働者にも有益なものでなければならない」と主張した。